20191004

『Dreams』全71巻を読んだ。昔20巻くらいまで読んでいたがその後は読んでいなかった漫画。おそらく一般的な評価としては、最初の5巻くらいまでは面白いけどそのあとどんどんだめになり甲子園に入ってからはずっと引き伸ばしで読むに耐えず最終的に雑誌廃刊で半打ち切りエンド、ということになると思う。しかしけっこうこの漫画が好きだ。ホームランとバッターアウトのみに意味がありヒットはそれらの失敗結果でしかないというところやよくわからない科学的魔球が次々と投入されるところや一球一球大ゴマ連発で展開するので死ぬほど話の進みが遅いところが案外気に入っている(しかしそれは最初の5巻の丁寧さを否定した地点にある良さだが)。かなり台詞が天然でまっすぐに変な台詞を量産しているのでそこは普通に読みどころ。この漫画は本当に野球の試合以外の描写がほとんどなくて恋愛はおろか友情描写も試合以外では描かれない。それは主人公の久里が野球でしかコミュニケーションをとれないからであって、その事実にとことん誠実であったことが美徳だったと思う。