20211224-20211230


年末。色々と手が回らないな……。

 

Fate/hollow ataraxia』『Fate/stay night
hollowクリア。昼パートカスすぎ夜パートよすぎ。「そのカスさが良い」理論はわからなくもないけど否定派(プレイヤーへのダイレクトアタックは基本的にNG)。
クリアしたあと参考文献を読んでいた。昔買ったマテリアル本とか昔のネット記事とか。せっかくだからZeroとかも読んで未読のスピンオフも手をつけるか……? 
思考の「解像度」を少しでも落とすとランサーもライダーも葛木もバゼットもカレンも全部鏡像だな、ということになってくる。つまりランサーあたりのまっとうな英霊を基準としてそこからの差分・歪み・切り取り・反転でほとんどのキャラの性質を記述していくことができるんではないかというようなこと。「正義の味方」「この世すべての悪」は特異点めいているので例外処理かもしれない。


『日本大衆文化史』
内容をメモにまとめた。今更ながら大塚理論・史観をインストールすることにどの程度意味があるのかはやや不明だが……。
「まんが・劇画・アニメ・社会」の項に、手塚は「歴史に翻弄される「群衆」の中の個人」を描くことを主題とし続けた、という記述がある。『百合史・百合論』において「手塚治虫が百合を書かなかったことに必然性はない」というような記述があったはずだが、手塚治虫は関係性を信じられなかったからこそ近代人としての手塚治虫であった、という命題には意味があるように感じられる。「人生という名のSL」最終ページのナレーションはあまりにも重い。ちょっと違うけど手塚治虫にとって「ループ」とは端的に受難であったはずだ、とか。


『新説魔法少女
クリア。40時間!
いやまあ面白かったが二度とやらない。伊万里と千代子が強すぎる。
宇宙の果てでも地球人類と全く変わらないやつらがうだうだ権力闘争しているのはユメがないな。


『岬の兄妹』
超陰鬱。身体障害者の兄と知的障害者の妹の極貧生活。
印象的ではあるがひたすらつらい。


河野慎太郎『戦う姫、働く少女』
ジェンダーと労働研究会(編)『私たちの「戦う姫、働く少女」』
内容をメモにまとめて、シンポジウムまとめ本を読んだ。
全体の論調は新自由主義批判で一貫していてフェミニズム批評よりもそっちのほうがメイン。やっぱりそんな悪い本じゃないと思うけど理論的にはナンシー・フレイザージュディス・バトラーの承認と再分配についての議論にほとんど依拠しているっぽい。
シンポジウム本は河野の解説がちょっと理解の助けになったくらいで、本の感想としてはもしかして河野慎太郎フェミニズム批評(というよりジェンダー研究?)ジャンルの中では相当知性が高いほうなのではないか、という疑念くらいになる(まあメンバーの問題だろうが)。議論の内容がほとんど内容の確認にとどまっているし、「専業主婦は元気がない」とか留保なしで不用意に言っていいセリフではないでしょう。

『透明人間(2020)』
ちょっとうみねこっぽい視聴感。主人公は透明人間に狙われることになるのだが、実際に透明人間がいるのか主人公の幻想なのかが中盤まで判断不能な状態で展開する。


岸辺露伴は動かない』実写ドラマ。
「悪霊」や「超能力」を少年バトル漫画の形式で解釈する、というのがスタンドの発明であるとする場合に、それを「悪霊」のレベルに再回収することになんらかの意味があったのかどうか、です。
もちろんそれは『岸辺露伴は動かない』原作にも存在する問題であり、だからこそ私はあまり原作漫画も好きではないのだが、今回のチープトリック実写化はその問題が如実に現れていた。正直言って、原作よりいいところ一つもないですよ。