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美少女を上手に肉便器にする方法途中感想

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『美少女を上手に肉便器にする方法』を三十一話まで読んでなかなかおもしろかったのだけどタイトルで敬遠されるだろうと思うのでネタバレ内容紹介というか言い訳的な。

最初は調教モノとして始まる。かなり洗練された描写と展開の手際のよさ。しかし十話くらいになると主人公がその展開の順調さ自体に疑念を抱き始め、ヒロインを調教しているはずがヒロインに「調教させられている」のかもしれないという操り問題が導入される。ここらへんからの不穏にさせ方がけっこう良く、緊張と緩和のリズムという感じなのだけど、その操り問題が保持されたまま次はヒロインの複雑な家庭環境が明かされ、実は主人公が調教する前からヒロインの人格が破綻していたのではないかという疑念が新しく生まれる。この時点でメインヒロインの不穏さが極まり調教によって関係を深めていくことが難しくなったのか(トラウマヒロイン性の高まり?)第二ヒロインとして主人公がかつて調教していたという女性が登場する(ここまでが二十三話、二十五万字くらい)。この第二ヒロインがエキセントリックで作品の空気が一変するのも重要だけど、第二ヒロイン視点からの主人公像がそれまでの描写から想像される主人公像とまったく食い違っていることが奇妙で、ヒロインたちはどうやら主人公に完全に萌えていたらしいということ、直後に実は主人公は「校内美少女ランキングで二位に選ばれる」というくらいの美少年であるということが突然明らかになる。そして最初は主人公の鬱屈の原因を示すためだけの設定だったはずの家族問題がクローズアップされはじめ、ヒロイン同士がいちゃつき始めて、個人の意思で世界を満たすための調教モノからキャラの相互関係によって世界が描き出されるラブコメへ移行する、というのが三十一話くらいまでの展開ということになる。

普通に話破綻してるだけなのでは、と思わなくもないけど主人公のコントロール幻想みたいなものに対して最初から意識的な作品であることを思うとこれもまた作者がコントロールしている展開なような気もする。素直に続きが気になる。まったくノクターンとかエロSSなどを読んでないのでどういう蓄積があるのかわからないが、普通に驚いてしまった。読む価値はあると思う(下品であることは否定しないけど……)。